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2014年9月22日 (月)

気まぐれアトリエ日記(356)・・・綺麗好きな山男

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Aさんとは浜松美術協会裸婦デッサン講習会の会場で初めて出会った。長身で椎名誠に似ている。私は講師を頼まれていたので制作している会員の作品を見て廻っていた。

Iさんが呼びにきてAさんの油彩をみてやってほしいと云う。Aさんとはモロッコスケッチ旅行で一緒だったらしい。ピンクと緑の裸婦だ。配色はきれいだが一本調子である。ベースになる色が定まっていない。

背景にピンクの色面を効かせたら巾が出て面白くなった。Aさんは納得したらしい。それからほどなく鴨江教室に現れた。定員6名でいっぱいだがキッチンでなら一人分のスペースがある。ここでいいというので入会してもらった。

Aさんは山男で深田久弥の日本百名山はあらかた踏破したそうだ。私は羨ましかった。20代の頃、山岳部のOB達と冬の天城縦走をしたことがあった。生憎の大雪で腰までの雪を掻き分けてすすんだが途中で諦めて穴を掘って寝た。空は満天の星で埋め尽くされていたことを今でもよく覚えている。

同じ行程ですすんでいたパーテイが道に迷って死者が出たことはあとで知った。帰ったらお袋がニュースで知っていて、よく戻ってきたと涙を見せた。もう心配かけてはいけないと思い、山行きはそれきりやめてしまった。

入会してから数か月経った頃Aさんは教室の壁紙の隅が剝れて汚れているから補修したいと云う。張り替えてもう20年が過ぎた。月に3日しか風を通していない。

朝早めに来て接着剤と激落ちスポンジで修復してくれた。教室は見違えるようになった。きれいになると雰囲気が全然変わる。

Aさんは教室に入る前に描いた絵を毎回持って来てアドバイスを求める。色感が独特なのでちょっとしたヒントで面白くなる。一生懸命に描いた絵がその先に動かないと云っているが、ちょっとした発想の展開で面白く変化する。

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